語彙・テーマ

「私(プライベート)」を〈個人的生活〉 〈他者〉に囲まれた空間です。

解説 例文において筆者は、「公(パブリック) の意味で用いています。西洋では、家を一歩出れば、いや、 だから、外自分勝手に振舞うこと許されません。「公」と「私」は厳しく区 別されます。 これに対して、 日本では、同質性の高い家の延長線上に、やはり同質性を備えた「世間」が存在しますから、公 私の区別がないというよりも、どこまで行っても「公」は存在しません。 電車の中で家の中と同じように子どもが 騒ぎ、親は特に注意するわけでない、といったような光景が、いたるところに見られるわけです。 こうした言わば「公私混同」の状況に拍車をかけているのが、日本的な「お上」の観念であると筆者は指摘して います。「公」と「お上」の観念が重なってしまったために、 「公共の事柄」は「もっぱら官僚の行政や政治家の領 分」であり、自分たちとは関係なく 「国家の偉い人たちが決」てくれるものという奇妙な了解」ができてしまっ たと言うのです。 「私」とは無関係に「公」が成立した のですから、公私の区別がつかなくて当然であると言えます。 」を〈他人と接触する生活〉、 自分の部屋を一歩出れば、

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