語彙・テーマ

自然科学の知は、「自分」を環境から切り離して得たもの であるから、 誰に対しても普遍的に通用する 点で、大きい 強みをもっている。自然科学の知はどこ でも通用する。し かし、ここで一旦切り離し た自分を、全体のなかに入 れ、 自分とは何のために生きているのか、な どと考えはじめる とき、自然科学知は役に立たない。そ れは、出発の最初 から、 自分を抜きにして得たもの なのだから、当然のこと である。太陽の動きや、はたらきは、自分 と無関係に説明 できる。しかし、他ならぬ 自分という存在と、太陽と は、 どうかかわるか。 (河合隼雄『イメージの心理学』) 語句 〈例文〉

他ならぬ自分という存在 アイデンティティ(自我同一性)と言い 換 えられる。

22 普遍 すべてのものに共通して成り立つこと。 (P 参照)

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