「新・ゴロゴ古文単語」 特典版v1.20

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奥 おく 山 やま に 紅 もみぢ 葉 踏 ふ み 分 わ け 鳴 な く 鹿 しか の 声 こゑ 聞 き く 時 とき ぞ 秋 あき は 悲 かな しき 猿丸大夫 ■ 訳 さびしい奥山において、もみじを踏み分けながら妻を思って鳴く鹿の声を聞くとき、そのときこそ、秋のもの悲しさがしみじみと感じ られるよ。 かささぎの 渡 わた せる 橋 はし に 置 お く 霜 しも の 白 しろ きを 見 み れば 夜 よ ぞ 更 ふ けにける 中納言家持 ■ 訳 七夕の日に彦星と織姫を逢わせるために、かささぎが天の川に翼を連ねて渡したというかささぎの橋。宮中の 御 み 階 はし におりた霜が真っ白 なのを見ると、すっかり夜も更けてしまったのだなあ。 ●「かささぎの渡せる橋に」 … 宮中の御階を、七夕の日に彦星と織姫を逢わせるために、かささぎが天の川に翼を連ねて渡したというかさ さぎの橋に見立てている。 天 あま の 原 はら ふりさけ 見 み れば 春 かすが 日 なる 三 み 笠 かさ の 山 やま に 出 い でし 月 つき かも 阿倍仲麻呂 ■ 訳 果てしない広さの大空を振り仰でみと、美しい月が出ている。あの月は故国の日本で見た春日の三笠の山に出ていた月と同じもの なのだなあ。 わが 庵 いほ は 都 みやこ のたつみ しかぞ 住 す む 世 よ をうぢ 山 やま と 人 ひと はいふなり 喜撰法師 三 ■ 訳 私の庵は都の東南にり、心静かに暮らしているのに、世間の人は私が世をわずらわしいと思 ってこんな山中に住んでいると言っている ようだ。 ●「世をうぢ山と」 … 「う」は、 「憂(し) 」と 「宇(治山) 」の掛詞。

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