「新・ゴロゴ古文単語」 特典版v1.20

36 39 百人一首 清原深養父 ■ 訳 夏の短い夜は、まだ宵のうちだと思っていたら早くも白々としてきたけれど、西の山に行き着く暇のなかった月は、今ごろ雲のどのあ たりに宿を取っているのだろうか。 ●「雲のいづこに 月宿るらむ」 … 「月」が擬人化されている。 白 しら 露 つゆ に 風 かぜ の 吹 ふ きしく 秋 あき の 野 の は つらぬきとめぬ 玉 たま ぞ 散 ち りける 文屋朝康 ■ 訳 草の上に結ばれた白露に、風がしきりに吹きつける秋の野では、糸でつらぬきとめていない白玉が散り乱れたように見えるなぁ。 ●「つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける」 … 「白露」を 「玉」に見立てている。 忘 わす らるる 身 み をば 思 おも はず 誓 ちか ひてし 人 ひと の 命 いのち の 惜 を しくもあるかな 右近 二 ■ 訳 あなたから忘れられる私の身は自業自得と思ってあきらめますでも、永遠の愛をお誓いになったあなた自身の命が神罰で失われる ではと、惜しまれてなりませんよ。 浅 あさ 茅 ぢ 生 ふ の 小 を 野 の の 篠 しの 原 はら 忍 しの ぶれど あまりてなどか 人 ひと の 恋 こひ しき 参議等 ■ 訳 まばらに 茅 ちがや が生えている「浅茅生の小野の篠原」 の「しの」 という言葉通り、私は忍びに忍んできたけれど、もはやこらえきれなくなって、 どうしてこんなにまであなたが恋しいのでしょうか。 ※「浅茅生の」 … 「小野」にかかる枕詞。 ●「浅茅生の 小野の篠原」 … 「忍ぶれど」を導く序詞。 夏 なつ の 夜 よ は まだ 宵 よひ ながら 明 あ けぬるを 雲 くも のいづこに 月 つき 宿 やど るらむ 37 38

385

Made with FlippingBook Digital Publishing Software