「新・ゴロゴ古文単語」 特典版v1.20

44 中納言朝忠 ■ 訳 もし相手の女性と契りを結ぶことがまったくなかったとしたら、かえって相手の無情やわが身のつらさを恨んだりすることもないだろ うに。 あはれとも いふべき 人 ひと は 思 おも ほえで 身 み のいたづらに なりぬべきかな 謙徳公 ■ 訳 私のことをかわいそうだと言ってくれそうな人は誰も思いつかないで、私はむなしく誰にも同情されることなく恋焦がれて死んでしま うでしょうよ。 由 ゆ 良 ら の 門 と を 渡 わた る 舟 ふな 人 びと かぢを 絶 た え ゆくへも 知 し らぬ 恋 こひ の 道 みち かな 曾禰好忠 ■ 訳 流れの激しい由良川の河口を漕ぎ渡る舟人が、櫂をなくしてどこへ行くのかもわからず流されてまうように、こからどうなってい くのかわからない不安だらけの私の恋の道。 ●「由良の門を~かぢを絶え」 … 「ゆくへも知らぬ」を導く序詞。 ●「門(と)」 「渡る」 「舟人」 「ゆくへ」 「道」は縁語。 八 や 重 へ むぐら 茂 しげ れる 宿 やど の 寂 さび しきに 人 ひと こそ 見 み えね 秋 あき は 来 き にけり 恵慶法師 ■ 訳 幾重にも重なってむぐら(つる性の雑草) が生い茂っているこのさびしい宿に、人は誰も訪ねてこないけれど、秋だけはやってきたのだ なあ。 45 46 47 百人一首 逢 あ ふことの 絶 た えてしなくは なかなかに 人 ひと をも 身 み をも 恨 うら みざらまし

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