「新・ゴロゴ古文単語」 特典版v1.20

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風 かぜ をいたみ 岩 いは うつ 波 なみ の おのれのみ 砕 くだ けてものを 思 おも ふころかな 源重之 ■ 訳 風が激しので、岩にぶつかる波が自分一人だけ砕けるように、私だけが千々に思い乱れて恋の物思いをするこの頃だなあ。 ●「風をいたみ 岩うつ波の」 … 「砕け」を導く序詞。 ※「砕けて」 … 「波が砕けて」と 「心が砕けて」の掛詞。 ※「波」 「砕け」は縁語。 みかきもり 衛 ゑ じ 士 のたく 火 ひ の 夜 よる は 燃 も え 昼 ひる は 消 き えつつ ものをこそ 思 おも へ 大中臣能宣朝 臣 ■ 訳 宮中の門を警護する 衛 え じ 士 が夜になるとたくかがり火が、夜は燃え昼には消えるように、私の恋の炎も夜は恋しさに燃え、昼は消え入る ばかりに物思いに沈む日がつづくことだ。 ●「みかきもり~衛士のたく火の」 … 「夜は燃え昼は消えつつ」を導く序詞。 君 きみ がため 惜 を しからざりし 命 いのち さへ 長 なが くもがなと 思 おも ひけるかな 藤原義孝 ■ 訳 あなたに逢うためなら死んでも惜しくはなと思っていましたが、あなたに逢って帰った今ではその命までも長くあってほしいもの だと思うようになったのだよ。 かくとだに えやはいぶきの さしも 草 ぐさ さしも 知 し らじな 燃 も ゆる 思 おも ひを 藤原実方朝臣 四 ■ 訳 こんなにあなたを恋い慕っているとさえ言うことができ のだから、伊吹山のさしも草が燃えるように、私の燃えるような恋心を なたは知らないのでしょうね。 ●「えやはいぶきの」 … 「いぶき」は、 「言ふ」と 「伊吹」の掛詞。 ●「いぶきのさしも草」 … 「さしも」を導く序詞。 ●「燃ゆる思ひを」 … 「思ひ」の 「ひ」は、 「火」との掛詞。 ●「さしも草」 「燃ゆる」 「ひ(火) 」は縁語。 ●「思ひを」は、 「知らじな」へ続く倒置法。

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