「新・ゴロゴ古文単語」 特典版v1.20
52 藤原道信朝臣 ■ 訳 夜が明てしまえば、また必ず日が暮れてあなたに再び逢えるものだと知っているものの、それでもやはり一度はあなたと別れて帰ら なければならぬのが恨めしく思われる夜明けです。 嘆 なげ きつつ ひとり 寝 ぬ る 夜 よ の 明 あ くる 間 ま は いかに 久 ひさ しき ものとかは 知 し る 右大将道綱母 ■ 訳訳 あなたがおいでにならないことを嘆きながら、一人で寝る夜が明けるまでの間が、どれほど長ものかあなたにおわかりでしょうか、 いやおわかりではないでしょう。 忘 わす れじの ゆく 末 すゑ までは かたければ 今 け ふ 日 を 限 かぎ りの 命 いのち ともがな 儀同三司母 ■■ 訳 あなたは私ことを決して忘れまいとおっしゃるけれど、遠い将来まで言葉通りの愛情が続くかどうか、信じることが難しいので、そ うおっしゃる今日を最後として絶えてしまう命であってほしいと思う。 滝 たき の 音 おと は 絶 た えて 久 ひさ しく なりぬれど 名 な こそ 流 なが れて なほ 聞 き こえけれ 大納言公任 ■ 訳訳 滝の音が響かなくってからずいぶん長い年月が経過ました、その音の響きの素晴らしい評判は、広く世間に伝わって今もなお知 れ渡っています。 ●「滝」 「流れ」、 「音」 「聞こえ」はそれぞれ縁語。 53 54 55 明 あ けぬれば 暮 く るるものとは 知 し りながら なほ 恨 うら めしき 朝 あさ ぼらけかな
百人一首
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