「新・ゴロゴ古文単語」 特典版v1.20
60 63 百人一首 小式部内侍 四 ■ 訳 大江山を越えて、生野を通っていく道は遠いので、まだ天の橋立の地を踏んでみたこともありませんし、もちろん母からの手紙なども 見たことがありません。 ●「いく野」 … 地名「生野」 と「行く」 の掛詞。 ●「まだふみもみず」 … 「ふみ」は、 「文」と 「踏み」の掛詞。 ●「ふみ」 「橋」は縁語。 ● 倒置法。 ※ 体言止め。 いにしへの 奈 な 良 ら の 都 みやこ の 八 や 重 へ 桜 ざくら けふ 九 ここのへ 重 に にほひぬるかな 伊勢大輔 ■ 訳 昔、奈良の都で咲いていた八重桜が、今日はこの宮中で色美しく咲き誇っていることよ。 ●「けふ九重に」 … 「けふ」は、 「今日」と 「京」の掛詞。 「九重」は、 「九重」と 「ここの辺」の掛詞。 夜 よ をこめて 鳥 とり のそら 音 ね は はかるとも よに 逢 あふ 坂 さか の 関 せき はゆるさじ 清少納言 ■ 訳 まだ夜の深いうちに鶏の鳴き声をまねてうまくだまそうとしても、中国の 函 かん 谷 こく 関 かん ならともかく、あなたとわたしの間にある逢坂の関(逢 う人をせきとめるという関)は決して通ることを許さないでしょう。 ●「よに逢坂の 関はゆるさじ」 … 「逢坂の関」の 「あふ」は、 「逢ふ」と地名 「逢(坂) 」の掛詞。 今 いま はただ 思 おも ひ 絶 た えなむ とばかりを 人 ひと づてならで 言 い ふよしもがな 左京大夫道雅 ■ 訳 逢えなくなってしった今となってはもう、あなたのことをきっぱりとあきらめよう、ということだけを、人づてではなく直接あなた に伝える方法があればいいのに。 大 おほ 江 え 山 やま いく 野 の の 道 みち の 遠 とほ ければ まだふみも 見 み ず 天 あま の 橋 はし 立 だて 61 62
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