「新・ゴロゴ古文単語」 特典版v1.20
68 71 百人一首 三条院 ■■ 訳 心ならずもこのつらい世の中に生きながらえることがあれば、今夜のこの美しい月のことをきっと恋しく思い出すにちがいないなぁ。 嵐 あらし 吹 ふ く 三 み 室 むろ の 山 やま の もみぢ 葉 ば は 龍 たつ 田 た の 川 かは の 錦 にしき なりけり 能因法師 ■ 訳 激しい嵐の吹く三室の山の紅葉葉は、とりもなおさず龍田川の水面に散り落ちて川を織り成す錦に変身したのであったなぁ。 ●「もみぢ葉は 龍田の川の 錦なりけり」 … 「もみぢ葉」を 「錦」に見立てている。 ● 本歌取り。 寂 さび しさに 宿 やど を 立 た ち 出 い でて ながむれば いづこも 同 おな じ 秋 あき の 夕 ゆふ 暮 ぐ れ 良暹法師 ■ 訳 あまりの寂しさにたまりかねて自分の住まいを出てあたりを見渡してみると、結局どこも同じ寂しい秋夕暮れであることだ。 ● 体言止め。 夕 ゆふ されば 門 かど 田 た の 稲 いな 葉 ば おとづれて 芦 あし のまろやに 秋 あき 風 かぜ ぞ 吹 ふ く 大納言経信 ■ 訳 夕方になると門の前に広がる田の稲葉をそよそよと音を立てて、 葦で屋根をふいた粗末な家に、秋風吹き訪れる。 心 こころ にも あらでうき 世 よ に ながらへば 恋 こひ しかるべき 夜 よ は 半 の 月 つき かな 69 70
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