「新・ゴロゴ古文単語」 特典版v1.20

75 きたのに、ああ、今年の秋もむなしく過ぎ去っていくようだ。 ●「おき」 「草(させも草) 」 「露」 「命」 「秋」は縁語。 わたの 原 はら 漕 こ ぎ 出 い でて 見 み れば ひさかたの 雲 くもゐ 居 にまがふ 沖 おき つ 白 しら 波 なみ 法性寺入道前 関白太政大臣 ■ 訳 果てしなく広がる海上に船を漕ぎ出してはるか彼方を眺めると、空に立つ雲と見まちがえるばかりの沖の白波であることよ。 ●「ひさかたの」 … 「 雲 くも 居 ゐ 」にかかる枕詞。 ● 体言止め。 瀬 せ をはやみ 岩 いは にせかるる 滝 たき 川 がは の われても 末 すゑ に 逢 あ はむとぞ 思 おも ふ 崇徳院 ■■ 訳訳 川瀬の流れが速いので岩にせ止められる急流が、いったんは二つに分かれもその先ではまた合流するように、あなたと私は一度は 別れても必ずまた逢おうと思います。 ●「瀬をはやみ~滝川の」 … 「われても」を導く序詞。 ※「瀬」 「せか」 「滝川」は縁語。 淡 あは 路 ぢ 島 しま 通 かよ ふ 千 ちどり 鳥 の 鳴 な く 声 こゑ に いく 夜 よ 寝 ね 覚 ざ めぬ 須 す 磨 ま の 関 せきもり 守 源兼昌 四 ■ 訳 淡路島から海を渡ってくる千鳥の、もの悲しく鳴く声のために、幾度夜に目を覚まさせられたであろううか。須磨の関守は。 ● 倒置法。 ※ 体言止め。 76 77 78 百人一首 契 ちぎ りおきし させもが 露 つゆ を 命 いのち にて あはれ 今 ことし 年 の 秋 あき もいぬめり 藤原基俊 ■ 訳 約束してくださった恵みの露のような「させも草 (そのようにも ≒ あなたの頼みをちゃんと聞きますよ)」 という言葉を頼みにして生きて

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