「新・ゴロゴ古文単語」 特典版v1.20

83 86 百人一首 世 よ の 中 なか よ 道 みち こそなけれ 思 おも ひ 入 い る 山 やま の 奥 おく にも 鹿 しか ぞ 鳴 な くなる 皇太后宮大夫 俊成 (初)・ 二 ■ 訳 世の中なんてものは、どうやってもつらさから逃れる方法はないのだ。世を逃れようと思いつめて入ったこの山奥にも鹿が悲しげに鳴 いているらしい。 ●「思ひ入る」 … 「入る」は 「(思ひ) 入る」と 「(山に) 入る」の掛詞。 ながらへば またこのごろや しのばれむ 憂 う しと 見 み し 世 よ ぞ 今 いま は 恋 こひ しき 藤原清輔朝臣 三 ■ 訳 これから先、生きながらえたのならば今のつらさが懐かしく思い出されるのだろうかこの世をつらいと思った昔が今は恋しく感じ られるのだから。 夜 よ もすがら もの 思 おも ふころは 明 あ けやらで ねやのひまさへ つれなかりけり 俊恵法師 ■ 訳 ひと晩中、恋の嘆きで沈んでいるこのごろは、なかなか夜が明けないで、寝室の板戸の隙間までも白んでくる様子もなく、ま くもっ てよそよそしいものですねぇ。 嘆 なげ けと 月 つき やはものを 思 おも はする かこち 顔 がほ なる わが 涙 なみだ かな 西行法師 三 ■ 訳 「嘆け」と言って月は私に物思いをさせるのでしょうか、いやそうではない。私の嘆きは恋のせいなのに、まるで月のせいにしているか のように流れる私の涙ですよ。 ●「嘆けとて」 … 「月」を擬人化している。 84 85

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