「新・ゴロゴ古文単語」 特典版v1.20
87 寂蓮法師 ■ 訳 村雨が通り過ぎ、その露もまだ乾かない槇の葉に、霧がほの白く立ち上っている秋の夕暮れであるよ。 ● 体言止め。 難 なには 波 江 え の 芦 あし のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋 こ ひわたるべき 皇嘉門院別当 ■ 訳 難波の入り江に生える芦の刈り根の一節ではないが、あなたとたった一夜の仮寝の契りを結んだために、難波にある「澪標」 のように身 を尽くして恋いし続けなければならないでしょうか。 ●「難波江の 芦のかりねの」 … 「難波江」 「芦」 「みをつくし(澪標) 」 「わたる」、 「芦」 「かりね(刈り根) 」 「ひとよ(一節) 」はそれぞれ縁語。 ●「難波江の 芦の」 … 「かりねのひとよ」を導く序詞。 ●「芦のかりねの」 … 「かりね」は、 「刈り根」と 「仮寝」の掛詞。 ●「ひとよゆゑ」 … 「ひとよ」は、 「一節」と 「一夜」の掛詞。 ●「みをつくし」 … 「みをつくし」は、 澪標」と 「身を尽くし」の掛詞。 玉 たま の 緒 を よ 絶 た えなば 絶 た えね ながらへば 忍 しの ぶることの 弱 よわ りもぞする 式子内親王 二 ■ 訳 わが命よ、どうせ絶えてしまうならば絶えてまえ。このまま生きながらえると、心に秘め恋心を隠す力が弱まってしまって、思い が外に漏れそうです。もしもそんなことになったら私は困ってしまいます。 ●「緒」 「絶え」 「ながらへ」 「よわり」は縁語。 88 89 村 むら 雨 さめ の 露 つゆ もまだ 干 ひ ぬ 真 ま 木 き の 葉 は に 霧 きり 立 た ちのぼる 秋 あき の 夕 ゆふ 暮 ぐ れ
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