みんゴロ古文読解

第二部 6 いづれの御時 にか 、 女 にょう 御 ご 、 更 かう 衣 い あまた さぶらひ 給ひ 給ふありけり。 はじめより、我はと思ひあがり給へる御かたがた、 めざましき ものにおとしめそねみ給ふ。同じ程、それ より 下 げ 臈 らふ の 更 かう 衣 い たちは、まして やすから ず。朝夕の宮 仕へにつけても、人の心をうごし恨みを負ふつも り にやありけむ 、いと あつしく なりゆき、物心細げに 里がちなるを、いよいよ 飽 あ かず あはれなるものにおぼ ほして、人の 謗 そし り をもえ はばから せ給はず、世の 例 ためし に もなりぬべき御もてなしな。 上 かん 達 だち 部 め ・ 上 うへ 人 びと なども、 あいなく 、目をそばめつ、「い いずれの帝の御代 であったのだろうか 、女御や更 衣が大勢帝に お仕え なさっていた中に、それほど 高 貴な 身分ではない方 であって 、目立って帝のご 寵愛 を受け ていらっしゃる方(=桐壺の更衣)がいた。 入内の初めから、自分こそはと自負していらっ しゃった御方々は、桐壺の更衣を 気に食わな 者に さげすんだりねたんだりなさる。この桐壺の更衣と 同じ程度の身分、あるいはそれより低い身分の更衣 たちは、まて気持ちが 安らかで ない。朝夕の宮仕 えにつけても、人の気を動かし、恨みを受けること が積もっ たのだろうか 、桐壺の更衣とても 病気が ちに なってゆき、何となく心細い様子で実家に戻り がちであるのを、帝はいよいよ もの足りく感じて いとしい者にお思いになって、人の 非難 をも 気がね し なさることもできず、後世の悪い例にもなってし まうに違いないほどのおふるまいである。 公卿や殿上人なども、 つまらない様子で 、冷たい 源 げ ん 氏 じ 物 も の 語 がたり 作者 紫 むらさき 式 しき 部 ぶ けるなかに、いと やんごとなき 際 きは にはらぬ が 、すぐ 時めき れて

物語 平安時代中期

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