みんゴロ古文読解
27 ゴロゴプレミアム講義 何度読んでも『源氏物語』は名文だ。紫式部の天才 ぶりにただただ驚かされるばかりだが、さらにびっく りするのは、敬語の使い方がほとんど完璧だという点。 その意味でも「敬語」の勉強という点で、『源氏物語』 はとても勉強になる。 ここでは「きこしめす」「奉る」「せたまふ・させた まふ」と三つの重要な敬語表現を勉強しよう。 この中ではまず 「せたまふ・させたまふが重要 で、 今までの文中でもさんざん出てきている。「せたまふ・ させたふ」の形は、 「尊敬+尊敬」 となる最高敬語(二 重敬語)の場合が多く、「お~になる。~なさ」と 訳す。しかし入試でこの形が問われたときは、 「使役 +尊敬」 の可能性もあるので、文脈的に「~に~をさ せなさる」となっている場合は「使役+尊敬」だ。 次に重要なのは 「奉る」 なるが、これは文脈上あまり間違えようがないので、 とにかく「奉る」には尊敬語がある、ということを覚 えていることが大切だ。 「きこしめす」は最高敬語だが、その前に「きこす」 が尊敬語であることをまずは知っておこう。その「き こす」に尊敬の補助動詞「めす」が付いたものが「き こしめ だが、この語が文中に出てきた場合は、最 高敬語だけに主語が帝レベルとなる。「聞く」の尊敬 語で「お聞きになる」というのはなんとなくわかると して、問題は「召し上がる」「お治めになる」の場合で、 これはかなりハイレベルだ。がんばって勉強しよう。
だが、これは謙譲語の用例 が圧倒的で、逆に言えば尊敬語で「奉る」が使われて いる場合は、入試でそこが必ず問われると言ってもい い。 尊敬語の場合は「乗る・着る・飲む」の尊敬語 と
第三部
7
203
Made with FlippingBook flipbook maker