みんゴロ古文読解
◆ 品詞分解チェック これも今は昔、絵仏師良秀といふありけり。家の隣より火いできて、風をし おほひてせめければ、逃出て大路へいで ① に ② けり 。人のかか ③ する 仏も おはし け り。又 衣 きぬ ④ き ⑤ ぬ 妻子なども、 さながら 内に有けり。それもしらず、ただ逃出た るを事にして、 むかひのつら に ⑥ たて ⑦ り 。(中略)「 哀 あはれ 、しつるせうとく 哉 かな 。 年 とし 比 ごろ はわろく ⑧ 書け ⑨ る 物かな」といふ時に、とぶらひにきたるもの共、「 こはいか に、かくてはたち ⑩ 給へ ⑪ る ぞ。 あさましき ことかな。物のつき給へるか」とい ひければ、「何条物のつくべきぞ。年 とし 比 ごろ 、不動尊の火焔をあしくかきけるなり。 今見れば、かうこそもえけれと、心得つる ⑫ なり 。是こそせうとくよ。此道を 立てて世にあら ⑬ ん には仏 だに よくかき ⑭ 奉ら ⑮ ば 、百千の家もいでき ⑯ な ⑰ ん 。わ たう達こそ、させる能もおはせ ⑱ ね ⑲ ば 、物をもおしみ ⑳ 給へ 」といひて、あざわ らひてこそたりけ。(後略) ①完了「ぬ」用 ②過去「けり」終 ③使役「す」体 ④カ・上一「着る」未 ⑤打消「ず」体 ⑥タ・四・已 ⑦完了(存続)「り」終 ⑧カ・四・已 ⑨完了「り」体 ⑩ハ・四・已(尊敬) ⑪完了(存続)「り」体 ⑫断定「なり」終 ⑬仮定「ん(む)」体 ⑭ラ・四・未 ⑮接助( 条件) ⑯強意「ぬ」未 ⑰推量「ん(む)」終 ⑱打消「ず」已 ⑲接助「ば」(確定条件) ⑳ハ・四・命(尊敬)
第一部
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