みんゴロ古文読解
男、 文 ふみ おこせたり。 得て のふりぬべになむ見 わづらひ はべる。 身さいは 、この雨はふら じ 」といへりければ、例 の男、女にかはりてよみてやらす。 身を知る雨はふりぞまされる とよみてやれりければ、みのもかさも取あへ で しとどにぬれて まどひ 来にけり。 と言ってよしたので、例の男が、女にかわっ て詠んで送った。 =幾度も私を思ってくれるのかくれないのかあ なたに 尋ねることが難しいので 、その答えが ひあらば かずかずに思ひ思はず だ 。 男が女に手紙をよこした。 契りを結んだ 後の に幸運があるならば
めで
て、いままで、
り ければ、男いといたう なる 。 「雨
といへ 巻きて文 ふ 箱 ばこ に入れてありとなむいふ のちのこと なりけり 。 問ひがたみ
5 第一部
しょ う。 と言っ た ので、男はたいそう 感心し て、現在ま で手紙を巻いて文箱に入れてある ということ 。「雨が降りそうなのであなたの 、この雨は降ら ないだろう 」
こと であった 所へ行こうか どうしようか思案し ています。 私 わかる雨がますます強く降ることです。(強 い雨を冒してあなたが来るかどうかで、あな たの愛がわかるので) と詠んで送ったので、男は蓑も笠も身につけ な いで 、びっしょり濡れて あわてて やってきた。
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