みんゴロ古文読解
もの 皇女に恋して駆け落ちの末、捕まって離れ離れにされ る悲恋話(身分違いが生んだ悲恋)などが書かれこ とになる。 『伊勢物語』は「昔、男ありけり」と語り出されている。 「歌物語」だけに、各段に必ず和歌が詠まれているが、 中でも男女の和歌のやりとりが中心。今回も男の歌に 一人。身分も教養もある上に、歌詠み上手だったのだ から、そりゃあモテモテだったろうと想像される。平 安貴族の 「みやび(=都会風に洗練された美意識) 」 を代表する人物とも言え、あの『源氏物語』の光源氏 も、このプレイボーイ在原業平に少なからず影響され ていると言われている。 原 業 平 対して女が返歌しているが、実は本当に歌を詠んだ は女ではなく、女の保護者にあたる「あてなる男」。
『 伊 勢 物 語 在 ひら 。そこから別名『在五中将の日記』『在 五が物語』と呼ばれたりする。主人公の在原業平は、 がたり 』は平安時代前期の「歌物語」 で、主人 公は あり わらの なり
い せ 祖父が平城帝というれっきとした皇族の血筋なのだ が、藤原氏の他氏排斥によて出世の道は閉ざされて いる。そこで都を離れて地方に下る「東 あずま 下 くだ り」の話や、
05 ゴロゴプレミアム講義
第一部
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何かと知恵を貸したりしていた。『枕草子』における 清少納言中宮定子の関係、あるいは紫式部と中宮彰 子の関係なども、要するに中宮の知恵袋として、女房 の清少納言や紫式部が雇われていたわけだ。 さて、話を『伊勢物語』に戻すと、落ちぶれている とは言え、主人公の在原業平は皇族の末 まつ 裔 えい で六歌仙の
の下手な場合など)は、代作者がいた。また、身分の 高い貴族女性には「女房」が仕えており、彼女ちが
こうしたことは当時多く行われていたことで、若い 女性やまだ教養が十分でない女性の場合(というか歌
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