みんゴロ古文読解

第一部 6 大 や 和 物 も ごと、 御 遊び あり。「このわたりのうかれめども、 あま 、 と の 語 がたり にけり。 てい じ みかど 、鳥 とりかひのゐん 飼院 に おはしまし 例の

亭 子 の 帝 た まゐりて さぶらふ なかに、声 おもしろく ばら の 申すやう、「 大 おほ 江 え の 玉 たま 淵 ぶち がむすめと申す者、 めづらしう まゐりてり」と申しければ、 見させ 、さま かたち も清げなりければ、 あはれ がり たまうて、うへに召しあげたまふ。「そもそ もまことか」など 問はせたまふに 、鳥飼といふ題 を、みなみな人びとに よませたまひにけり 。 おほ せ たまふやう、「玉淵はいと らうあり て、歌など よくよみ き 。この鳥飼といふ題をよく つかうまつ たまふに

ま あるものは 侍 はべ りや」と問はせたまふに、うかれめ よし

作者未詳 歌物語 平安時代中期 し上げている 中で、声が 趣深く 、 風情 のある者 が控えているか」と亭子の帝がお尋ねなさると、 遊女たち が 申しあげるには、「大江の玉淵の娘と いう者が 素晴らしく 参上しております」と申し あげたので、帝が 御覧になると 、姿も 容貌 も美 しい様子であっので、 しみじみと感心 なさっ て、上にお呼び寄せなさる。そして、「一体全体、 大江の玉淵の娘だというのは本当のことか」な どと お尋ねなさった時に 、鳥飼という題をお出 しになって、お供の人みんなに歌を 詠ませなさっ た 。そこで帝が おっしゃる には、「大江の玉淵 は、いう 熟練してい て、歌なども巧みに詠 ん だ 。おまえがこの鳥飼という題を上手に 詠ん だ としたら 、それによって玉淵の本当の子と思 亭子の帝が離宮の鳥飼の院に お出かけになっ た。 いつもの ように 管弦の遊び を催しなさる。 「この辺の遊女たちが、 たくさん 参って お仕え申

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