みんゴロ古文出典

m 作者鴨長明は引っ越しのたびに家が小さくなっていったらしい。随 筆『方丈記』の「方丈」は、一丈(約3 )四方の大きさの組み立て式の 家のこと。彼は神職の家に生まれながら、世をはかなみ、 歳のこ ろ出家をして山で隠遁生活を始め。 ★助動詞「 べし 」と「 まじ 」はペアで覚えるとよい。「べし」の意味 そ う で あ る か ら、 実 読解ポイント

かかれば目の前に作り営む人は、よそ目こそあな ゆゆし と見ゆれど、心には なほ 足らぬ事多からむ。かの面影の栖はことにふれて、徳多かる べ ※ し 。 但し、此の事世間の営みに並ぶる時は、賢げなれど、よく思ひとくには、天上の楽しみ、 なほ終りあり。よしなくあらましに空しく一期を尽さむよりも、願はば必ず得つべき安養世界の 快楽、不退なる宮殿・楼閣を望めかし。はかなかりける 希 け 望 まう なる べ ※ し 。 際 に 家 を 作 る 人 は、 他 人 の 目 に は な ん と 立 派 だ と 見 え る が、 心 に は やはり 満足しないことが多いのであろう。あの貧しい男の想像の住みかは何かにつけて、長所が多いにちがいない。 ただし、このことは世間の実際のことに比べたときには、賢明なようであるが、よく考えると、無上の楽しみには、 やはり終わりがある。無意味で計画だけでむなしく一生を過ごすより、願えば必ずかなう極楽浄土の 楽しみ、極楽にあるりっぱな建物や高い建物を望みなさい。貧しい男の計画の絵図面は、やはりむなしい望みであるにちがいない。

50 は「推量・意志・可能・当然・命令・適当・予定」の七つ。それ に対して、「まじ」はそれを打ち消したものなので「打消推量・打 消意志・不可能打消当然・禁止・打消適当」となり予定を除 く六つの意味が対応する。 助動詞「べし」は意味が多い ので、文中に出てくるたび に意識して読む習慣を付け ましょう。

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