みんゴロ古文出典
読解ポイント 作者の紀貫之は土佐にいる間に幼い娘を亡くしていた。京に戻る 旅の途中でも何度も女の子を思い出して悲しい気持ちを歌に詠ん でいる。 ★「 見し人 」の和歌中の「見し人」とは作者紀貫之の亡くなっ 「松の千年」は松の寿命が長いことの比喩表現。 「せ 「しただろうか、いや、しなかっただろうに」 (中 略) 生まれしも 帰らぬものを わが宿に 小松のあるを 見るが悲しさ とぞいへる。なほ 飽かず やあらむ、またかくなむ。 見 ※ し人の 松の千年に 見ましかば 遠く悲しき 別れせましや
この家にて生まれし 女 をむな 子 ご の、もろともに帰らねば、いかがは悲しき。 この家で生まれた女の子が、いっしょに帰らないので、どんなに悲しいことか。 ○ここで生まれた子も土佐の国で死んでしまって帰らないのに、我が家に小松が生えているのを見る悲しさよ。 と詠んだ。まだ もの足りない のであろうか、またこうも詠んだ。 ○死んだ我が子が松のように千年の寿命があるのをもし見たならば、遠い土佐で悲しい別れをしただろうか、 いや、そんなことはなかっただろうに。
となる。
た娘を指す。 ましや」が反語で、
21 30 第 位 ~ 第 位
に注意しましょう。
に、反語「や」が加わった訳
反実仮想「ましかば~まし」
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