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『方丈記』は鴨長明が 50 歳で出家し たあとに和漢混交文で書いた無常観 をテーマとした随筆。「ゆく河の流 れは絶えずして、しかも、もとの水 にあらず」で始まる。 1 位「閑居の気味」は隠遁生活から 5 年が経過した作者の生活の様子や考 えが述べられる。2 位「安元の大火」 は 40 歳のころに体験した安元 3 年 の大火事について都の様子を鮮明に 書き記している。3 位「養和の飢饉」 では世間の人々が飢えに苦しむ様子 が描かれる。4 位「外山の草庵」は晩 年の住居方丈の庵について説明され ている。

『方丈記』出題順位

その他 15.3%

閑居の気味 38.5%

外山の草庵 15.4%

21 第 位 ~ 第 位 30

養和の飢饉

15.4% 安元の大火 15.4%

『方丈記』に描かれた人災天災

養和の飢饉

安元の大火

一一八一〜一一八二 年 。食料も日に日にな くな り 、愛する人がいる人 は 、自分のこと を二の次にして相手に食べ物を与えた 。 そのた め 、相手に対する愛情の深い者のほ うが先に死ん だ 。親子の場合はきまって親 が先に死ん だ 。赤子は母親が死んだことも 知らないまま 、なお乳房に吸い付いていた 。 仁和寺の法師 は 、死人の 顔 に「 阿 」の字を 書い て 、成仏させ た 。死人の数を数えた が 、 とてもきり 。

なった。危険な都に家を作ろうとて家 財を使ってあれやこれやと悩むことは、 この上くつまらないことである。

んでたちまち死んでしまう。ようやく火 事から逃れられた人も、家財は全て灰と

うちに全て灰になってしまった。煙にむ せて倒れ込む人、ある人は炎に目がくら

一一七七年 。風が激しく吹いた夜、都の東 南の方から出火して朱雀門、大極殿、大 学寮、民部省へと火は燃え移り、一晩の

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