みんゴロ古文出典
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入試データ分析
鴨長明は平安末期から鎌倉時代にか けて活躍した歌人であり随筆家。長 明は下鴨神社の神官、長継の次男と して生まれるが、神官になれず出世 コースからは外れる。歌人としては 俊恵に師事している。 『無名抄』は和歌に関する 80 項目に 及ぶ評論集で、歌人の逸話や古歌に ついて論じられている。「幽玄」につ いて論じた部分は頻出。 長明は三大随筆の『方丈記』が有名だ が、出題率が高いのは説話の『発心 集』である。『無名抄』とあわせて鴨 長明 3 部作は入試の出題率はトップ 10内に入る。
鴨長明 出題順位
無名抄 29.0%
発心集 40.5%
21 第 位 ~ 第 位 30
方丈記 30.5%
和歌に命をかけた歌人 ~『無名抄』より~ 俊成卿の娘は、歌合せなどの公的な場 で晴れの歌を詠もうという場合には、 何日も前から多くの歌集を繰り返
道因入道
俊成卿の娘と宮内卿
18 歌の道に志が深かったことでは、道因に並ぶ者がい ない。七、八十歳になるまで、和歌の神様がいる 住吉神社に「秀歌を詠ませてください」と 月参りをした。道因の死後、『千載集』 を撰んでいた藤原俊成は道因を優遇 して 首を入れたところ、俊成の夢 に道因が現われて、泣きながらお礼 を言ったという。 宮内卿は、最初から最後まで歌集 の冊子や巻物を広げておいて、 灯台に火を間近に灯し、やっ との思いで書きとめながら昼 も夜も考案した。そしてあまり に歌を深く考えつめたために一 度は死にかけたほどだった。
し念入りに調べて、思い通りに 詠 んだあとは、す 片付けて、灯 火をかすかにともしながら人に聞か れないように思案する。
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