みんゴロ古文出典

易   難 入試 出題箇所を チェック ! 上位大での出題が多 く、内容的知識が必須。 『大鏡』との相違に注 意。 ( 帥 そち 殿 どの )「なほこの世には人笑はれにてやみぬべき身にこそ あめれ 。 あさましう もあるかな。 めづらかなる夢など見てし後は、さりともと頼もしう、異なることなき人の例の果て 見てなどこそはいふなれば、さりともとのみ、そのままに 精 さう 進 じ 、 斎 いもひ をしつつあり過ぐし、 ひたみちに仏神を頼みたてまつりて こ ※ そ あり つ ※ れ、 今はかうにこそあめれ」と、 御心の中のもの嘆きに思されて、「 あいな頼み にてのみ世を過ぐさ んは 、 いと をこがましき ことなど出で来て、 いとど 生けるかひなき 有 ありさま 様 にこそ あべかめれ 。 いかがすべき」など、御叔父の 明 あき 順 のぶ 、 道 みち 順 のぶ などにうち語らひたまへば、 「げに世の有様さのみこそおはしますめれ。さりとてまたいかがはせさせたまはんとする。 ただ御命だに平らかにておはしまさばとこそは頼みきこえさすれ」など、 『 栄 えい 花 が 物 もの 語 がたり 』 首都大学東京 (伊周殿が)「やはりこ 世では人から笑われる存在で終わってしまう身 であるようだなあ 。 情けない ことだよ。 めったにない良い夢などを見た後は、いくら夢であってもと期待をかけ、成功することのない人の例の結末を 見てから人生がどうだったかを判断するものだなどと言うそうだから、いくら何でもとばかり、そのままに精進潔斎をしては日を過ごし、 ひ た す ら 仏 神 を 頼 り に し 申 し 上 げ て い た の に 、 今 は こ ん な あ り さ ま で あ る よ う だ 」 と、 お 心 の 中 で お 嘆 き の 思 い で お ら れ、「 あ て に な ら い 望 み だ け で 世 を 過 ご す と し た ら 、 ひどく みっともない ことなどが出てきて、 いっそう 生きている甲斐のないありさまになっていく にちがいなかろう 。 ど う し た ら よ い だ ろ う か 」 な ど、 御 叔 父 の 明 順、 道 順 な ど に ご 相 談 な さ る と、 「なるほど世のありさまはおっしゃるとおりでしょう。そうか いってまたどのようになさろうというおつもりでしょうか。 た だ お 命 だ け で も 無 事 で い ら っ し ゃ る の な ら と、 頼 り に し 申 し 上 げ て い ま す 」 な ど、 DATA FI LE

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