みんゴロ古文出典
33 位 阿仏尼は 鎌倉中期の歌人 。 藤原 為 ため 家 いえ の側室となって息 子を二人産んだが、藤原為家の愛情を独占するようにな って、他の妻たちと対立した。『 うたたね 』は京都におけ る若き日の阿 の恋の苦悩と、養父に連れられて遠江 に下り、乳母の病気のために再び京に帰るまでの紀行文。 『 十 いざよい 六夜 日記 』も紀行文で、夫の死後の相続争いのために 京から鎌倉幕府へと訴訟のために下った旅の様子をつづっ たもの。 十 いざよい 六夜 の日に出発したので『十六夜日記』という名 がついた。実子に荘園を相続させるべく 歳という老齢な がら旅して鎌倉幕府に訴えにいく。その間の道中、女流歌 人でもある阿仏尼は各地で風物・名所・旧跡や感慨を日記 に書く一方、和歌を詠む。鎌倉到着後は現地の人々とも和 歌の贈答を行うが、肝心の所領紛争の解決を見ることなく あ 仏 ぶつ 尼 に
60 阿仏尼は亡くなり、日記も終わっている。平易で簡潔な記 述の中にも母子愛に支えられた強い信念がうかがえる作品 で、 中世の紀行文の最高傑作 といえる。鎌倉時代の紀行文 としては他に『 海 かい 道 どう 記 き 』 『 東 とう 関 かん 紀 き 行 こう 』がある。
出題率 1.0 % ~ 1283 阿 歌人
阿仏尼
13C 末
1280
夜の鶴
うたたね 十 日記 下る紀行文
いざよい 六夜日 にっき 記 日記 訴訟のために鎌倉へ
を後日まとめたも 「うたたねの記」とも
作者の若き日の恋と行
鎌倉中期 1222頃
歌論書
166
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