みんゴロ古文出典

出題率 0.6 % 鎌倉前期 仏教説話 撰 せん 集 じゅう 抄 しょう 『撰集抄』は 鎌倉前期 、 世紀の半ば頃に成立した仏教 説話 で、全九巻から成る。江戸時代までは 西行 の作と伝 えられてきたが、西行死後の話も多く収録されているこ とから、西行の没年( 年)以降の成立説が有力で、おそら く 西行に仮託した作品 であると予想される。序文に「新旧 発 ほっしんしゅう 心集 古 こ 事 じ 談 だん 宝 ほうぶつしゅう 物集 作者未詳

39 位 の賢跡を撰び求めける事の言の葉を書き集め、『撰集抄』と 名付けて、座の右に置きて、一筋に知識に頼まんとなり」

曲や、江戸時代の松尾芭蕉などの文人たちにも大きな影響 を与えている。入試では幅広い範囲が出題される傾向にあ り、文学史では 西行の私家集 『 山 さん 家 か 集 しゅう 』や、同じ鎌倉時代の 説話作品を問われる傾向がある。

西行にからんで詩歌の説話が多いことも特徴といえる。西 行作と信じられてきたために広く愛読され、室町時代の謡

1190 る仏教説話にとどまらず、評論的、随想的傾向を持ってい る。また、発心・遁世・往生の話が中心ではあるが、歌人

13 とあり、現世の無常を悟って賢く振る舞った高僧や聖たち の往生談や言行録を集めたものである。全体として単な

鎌倉の説話

12C 後 1215 1216 1221 1222 1242 1252 1254 1275 1283 1305

雑 ぞうだんしゅう 談集

沙 しゃせきしゅう 石集

撰 せんじゅうしょう 集抄

古 ここん 今著 ちょもんじゅう 聞集 橘 たちばなのなりすえ 成季 編

十 じっきんしょう 訓抄

今 いまものがたり 物語

閑 かんきょのとも 居友

宇 う 治 じ 拾 しゅうい 遺物 ものがたり 語

世世

仏 仏 仏 世

仏 仏 仏

慶政編 藤原信実

源顕兼編

仏教説話

無 む 住 じゅう 作

無 むじゅう 住 作

鴨 かものちょうめい 長明 作

世 西 さい 行 ぎょう が主人公の

仏 世

=仏教説話 =世俗説話

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