みんゴロ古文出典
「 」 「 」 「 」 読解ポイント 江戸時代の俳文・俳諧論集は 横井也有の『鶉 うずら 衣 ごろも 』、向井去来 横井也有(1702~1783)は江戸中期の俳人。画・漢詩 等にも広く活躍した。名門武士の家に生まれ、勤めをこなし つつ俳諧・俳文に打ち込んだ。著書に俳文集『鶉 うずら 衣 ごろも 』等がある。 ★ ぬべし は完了の助動詞 ぬ +推量の助動詞 べし で きっと~に違いない の意。「ぬ」はここでは完了の 意はなく、強意になっている。 本文は『鶉衣』 の『去 きょ 来 らい 抄 しょう 』、そして服 はっとり 部土 と 芳 ほう の『三 さん 冊 ぞう 子 し 』がベスト3です。
かるとつけても尻重し。名はその人によらぬものかも。よしさらば ただ 調 でっち 市 ・ 走 はした 女 も覚えよく、嫁も娘もかきやすからむをと、この日人のもとへ 消 せう 息 そこ の筆にまかせて、 ただ 暮 ぼ 水 すい とは書きはじめける。それだに人の味はひて、これは何の心にて、 それはこの語によるならむと、蛇に足をそへ、 摺 すり 小 こ 木 ぎ に耳をもはやして、 自然とふかき字義にも 叶 かな はば、それもまた をかしかり ぬべし。 出題 : 北海道大学 かる( =軽 )と名づけても尻の重い女もある。名はその人にかかわらないものなのか。ままよそれならば、 丁 稚 小 憎・ 召 使 の 女 も 覚 え や す い よ う に と、 こ の 日 人 の も と へ 便 り を 出 す 筆 に ま か せ て、 た た 暮 水 と 書 き は じ め た。 そ れ で さ え 人 が 味 わ っ て、 暮 水 と い う の は ど う い う 心 を 表 し、 そ れ は こ の 語 を 根 拠 に し て い る の だ ろ う と、 無 駄 で 余 計 な 詮 索 を し て、 その結果深い文字の意味にかなうことになれば、それもまた、 趣があること にちがいない。
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