みんゴロ古文出典
41 「 」 第 位 ~ 第 位 しましょう。 建部綾足は江戸中期の俳人・画家・国学者で生涯を旅に送った 漂泊の詩人だった。俳諧では伊勢派と呼ばれた俳諧師として活 躍、また小説においては「読本」の先駆者となり、南画もよくし た。また流麗な文体でつづられる随筆・紀行文もあり、中でも 随筆『折々草』は代表作。 ★ 宝にかふ は文字通り訳すと、 宝物の代わりとする だ が、ここでは 幸いなことと思う・感謝する と解する。 ★この格助詞「 と 」は比較の基準を表す。「金と瓦のごとし」とい うのは、二つの間に大きな違いがあることを述べたもの。 本文は『芭蕉翁頭陀物語』 50 「 」 「 」 読解ポイント
「御坊にこの発句させたるくせものは、近きころ刑せられし。火につけ水につけ発句して遊び 給 たま はば、 今 こよひ 宵 のあらましも句にならん。願はくは今聞かん」。野坡がいはく、「苦楽をなぐさむを 風人といふ。今宵のこと、ことにをかし。されどありのままに句に作らば、我は 盗人の中宿なり。ただ何ごとも知らぬ なめり 」と、かくいふことを書きて与ふ。 垣くぐる 雀 すずめ ならなく 雪のあと 「あなたにこの発句を詠ませた不審な者は、近頃処刑された。火事につけ大水につけ、それを発句にして楽しみなさるのならば、 今晩の一部始終も発句になるだろう。出来ることなら今すぐ聞きたい」と言う。野坡が言うことには、「苦楽を詩によってなぐさめるような人を 詩 人 と い う。 今 晩 の こ と は、 特 に 面 白 い。 だ が、 あ り の ま ま に 発 句 に 作 っ た な ら ば、 私 の 家 は 盗人の斡旋人の家となってしまう。全く何事知らない ようであるように 句を作ろう」と言ってこういうことを書いて与えた。 ○垣根をくぐったのは雀ではなくて、その証拠に雪の上に人の足跡が残っている。
出題 東京大学 「野坡」というのは松尾芭蕉の門
215 人の一人、 志 し 太 だ 野 や 坡 ば のこと。 詳細はP の「蕉門十哲」を参照 :
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