みんゴロ古文出典

読解ポイント 墓の上の 木の枝なびけり 聞きし ごと 千沼壮士にし 依りにけらしも 『万葉集』は奈良末期に大伴家持が編集の最後にかかわって まとめた歌集。全二十巻で、歌数は約4500首。「相 そう 聞 もん 歌 か 」 「挽 ばん 歌 か 」「雑 ぞう 歌 か 」の三大部立が中心で、歌体は短歌が中心。表 に「ますらをぶり」と言われる男性的で力強くのびのびとし た歌風で、枕詞・序詞が多く使われた。 小 あ て 遠 い 未 来 ま ○墓の上に木の枝がなびいている。前から聞いていた ように 菟原処女の心は千沼壮士に傾いていたらしい。 出題 ゆ 」は上代の助動詞で、受身・可能・自発を表す。ここ では「泣く」という心情語に付いて「自発」。中古に入る と「る」にとってかわられる。 : 日本大学 記は万葉仮名と呼ばれる漢字で、これはまだ日本で仮名表記 が発明されていなかったための独自の表記法だった。全体的 ★「

小大刀取り佩き ところづら 尋 と め 行きければ 親 うがら 族 どち い行き集ひ 永き代に 標 しるし にせむと 刀 を 身 に つ け て、と こ ろ づ を 追 っ っ た の で、親 族 た ち が 集 ま 語 り 継 ご う と、 処 女 の 墓 を 故 ゆゑよし 縁 聞きて 知らねども 新 にひ 喪 も のごとも 音 ね 泣きつるかも た、 その由来を聞いて、よくは知らないけれども、新しい喪のように声を上げて泣いてしまったことだ。 ら っ て、永 久 に 記 念 し よ う と、 中 に 作 っ て、 壮 士 の 墓 を 両 側 に 作 っ

遠き代に 語り継がむと 処女墓 中に造り置き 壮士墓 このもかのもに 造り置ける 太 と 行 で 反 歌 葦屋の 菟原処女の 奥つ 城 き を 行き来と見れば 音のみし泣か ゆ ※ ※ ○葦屋の菟原処女の墓を行き来のたびに見ると声を上げて泣いてしまうよ。

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