みんゴロ古文出典
※ ふる 小林一茶(1763~1827)は江戸後期、化政期といわれ た時代の俳人。句日記『七番日記』、俳諧集『おらが春』などの ほか発句は二万句以上に及ぶ。「やせ蛙負けるな一茶これに あり」など、とても庶民的なあたたかい句を作っているが、 家庭的には子供たちに死なれ、妻にも先だたれるなど不幸 だった。 ★ 「おしはかられて」の「 れ 」は自発の助動詞「る」の連用形。 ★「 思ふまじ 」の俳句には、俳句を作るときの決まりである 「季語」がない。 ★「 古郷に 」の和歌の「すみ」は「たなびく」とともに用 られることが多い。ここの「引く」も「たなびく」の意味。 同時に「心を引く」の意味も掛けられている。 本文は『おらが春』 松尾芭蕉が俳諧を芸術に高め、天 明期には与謝蕪村が「蕉風復帰」を 唱えました。 その後、小林一茶が庶民の生活に 根ざした俳諧を詠みました。 読解ポイント 出題 : 京都産業大学 おなじ心を 古 郷 さと に 花もあらねど ふむ足の 迹 あと へ心を 引くかすみかな
※ 思ふまじ 見まじとすれど 我が家かな 同じ心を詠んだ歌、 ○今さら思うまい、見まいとするけれども、やはりいつまでも心にかかるわが家であるなあ。 ○故郷には愛すべき花などないけれども、故郷の空にたなびく花のような霞を見るにつけ、踏みだす足も引き戻され、心もひかれてしまうことよ。
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