みんゴロ古文出典

読解ポイント 尾崎雅嘉(1755~1827)は江戸後期の国学者。契沖 の著作で学び、国学をおさめる。和漢の書を読みあさり、漢 籍にも精通し、また和歌にも長けていた。著書に『群書一覧』 『百人一首一夕話』などがある。 ★「 空寒み 」の和歌は白楽天の「南秦の雪」の詩によって下 の句を詠みかけて来た公任に、清少納言が同じ詩の一句 をとって、鮮やかに上の句を詠じて返したもの。 本文は『百人一首一夕話』 平安時代には唐の「白楽天(白居 易)」の漢詩文『白 はく 氏 し 文 もん 集 じゅう 』がよく 読まれていました。 藤原公 きんとう 任の『和漢朗詠集』にも、 白楽天の作品が多数収録されて いるのです。 空 と詠んで遣わしたところ、たいそうすばらしく 褒め られたということだ。 出題 : 関東学院大学

※ 寒 み 花にまがひて 散る雪に といひやりければ、いといみじく 賞 め で られけり。 ○空 が 寒い ので 、花が散るのかと見まちがえるように降る雪のため

といふことを 主 とのも 殿 司 づかさ していひおこせて、この上の句を とく〳〵 と責めけるに清少納言、 という下の句を主殿司を使って言って寄こして、この上の句を 早く早く 詠みなさいと責め立てたところ、清少納言が、

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