みんゴロ古文出典

「いかに久しき」といへるは、門開くるあひだのおそきを、 わび 給ひしにくらべたるなり。つひに 開けずしてやみたらんには、何にあたりてか、「あくる間は」とも、「久しき」とも詠み出づべき。 ○入道摂政―藤原兼家。道綱母の夫。 「どんなに長い間と感じるか」と言っているのは、門を開ける間が遅いのを、 つらく感じ なさったのと比べているのである。最後まで 開けないで終わったとしたら、何に対して、「開ける間は」というようにも、「長く感じる」というようにも詠み出すことになろうか。

「 香川景樹(1768~1843)は江戸後期の歌人。桂 けい 園 えん と号 し、桂園派の祖となり京都歌壇を風靡した。門人は千余人を 数え 歌風は永く明治・大正の世にまで門流を引いた。 賀茂真淵の万葉主義を批判し、 『古今集』の調べを理想とした。 ★ 「 嘆きつつ 」の和歌の「かは」は反語。 嘆きつつひとり 寝る夜 は 夫の訪れのないことを嘆きながら一人で寝 る夜 。 あくる間 は 夜が明けるまでの間 という意 味であるが、 門を開けるまでの間 という意味も踏まえ 」 「 」 「 」 「 」 読解ポイント

」 「 た解釈になよう配慮しなければならない。不実な夫の、 門を開けるまでのわずかの時間でさえ長いという態度へ のあてつを汲み取った解釈にっているかがポイント である。 ★「 寝 ぬ る 」はナ行下二段動詞の連体形。 本文は『百首異見』

「寝

出題 」に 注意です。 活用を声に出して覚えましょう。 「ね/ね/ぬ/ぬる/ぬれ/ねよ」 「え/えう/うる/うれ/えよ」 「へ/へふ/ふるふれへよ」 : 東京大学 下二段動詞では、 ぬ 「得 う 「経 ふ 」 」

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