みんゴロ古文出典

易   難 チェック ! うらやましげなるもの、経など習ふとて、いみじうたどたどしく忘れがちに、 かへすがへす同じ所をよむに、法師はことわり、男も女も、くるくるとやすらかに よみたるこそ、あれがやうにいつの世にあらむとおぼゆれ。 心地などわづらひて 臥 ふ したるに、うち笑ひ、物など言ひ、思ふ事なげにて 歩みありく 人見る こ ※ そ 、いみじう う ※ らやましけれ 。 稲 いなり 荷 に思ひおこして 詣 まう でたるに、 中 なか の 御 み 社 やしろ のほどの、 わりなう 苦しきを 念じ のぼるに、 いささか苦しげもなく、おくれて 来 く と見る者どもの、ただ行きに先に立ちて 詣づる 、 いとめでたし。二月の 午 うま の日の 暁 あかつき に、いそぎしかど、坂のなからばかり歩みしかば、 巳 み の時ばかりになりにけり。 やうやう 暑くさへなりて、まことに わびしく て、 知識の有無で得点差が 付きやすい傾向にあ る。人物関係と内容把 握がポイント。 『枕草子』 関西大学 う ら や ま し く 見 え る も の。 お 経 な ど を 習 う と い っ て、 私 が た い そ う た ど た ど し く 忘 れ が ち に、 繰 り 返 し 同 じ 所 を 読 む の に、法 師 は 上 手 で 当 然 だ が、法 師 以 外 の 男 で も 女 で も、す ら す ら と 容 易 に 読んでいる人がいるが、いつ私はあんなふうになれるだろう、と思われる。 私 が 気 分 な ど が 悪 く て 休 ん で い る と き、 笑 っ た り お し ゃ べ り し た り、 悩 み が な さ そ う に 歩き回る 人を見るのは、たいそううらやましい。 伏見稲荷大社に、一念発起して参詣したとき、私が中の御社のあたりで、 無茶苦茶 苦しいのを 我慢して 登るのだが、 少しも苦しそうなふうもなく、私より遅れて来る、と思っていた連中が、どんどん進んで行って他の人より前に 参詣するのは 、 たいそうすばらしい。二月午の日(初午祭の日)の夜明け前に、私は急いだが、坂の半分ほど歩いたところで、 巳の刻(=午前十時)くらいになってしまった。そのうえに、 しだいに 暑くなって、ほんとうに つらく て、 DATA FI LE 入試 出題箇所を

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