みんゴロ古文出典

桐 く入念に書いてあるとは思えない。どれもこれも「もの のあはれ」の境地には及ばない。『源氏物語』より後の 作品では、たとえば『狭衣物語』は、 『源氏物語』の書き

私は教え子のために以前から何度も講読しているが、 全然飽きない。他の長編物語では講義をしていて飽きて しまうのに、『源氏物語』はいつ読んでも初めて読んだ ように新鮮で面白く読めるのだ。

本当に向かい合っているように感じられるところなど は、並たいていの筆力ではとうてい書けないだろう。

その中で男や女の様子や性格を書き分け、褒めている部 分も人それぞれよく書き分けられている。作中の人々と

言葉遣いが立派あるこは言うまでもないが加えて 人間の姿、春夏秋冬、草木に至るまですべてが立派で、

壺 方を見習って書いているが、出来栄えは月とスッポンで ある。『源氏物語』は万事にわたって入念に書いてある。

3 位 3 位 多くの物語の中で、『源氏物語』は特に優れてすばら しい作品だ。後にも先にも『源氏物語』に並ぶ作品はな い。『源氏物語』より前に作られた作品は、それほど深 『源氏物語玉の小櫛』 2

1 第 位 ~ 第 位 10

本居宣長入試ポイント ●

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35 『古事記』の研究に 年をかけて『古 事記伝』を書き上げた。 宣長の文章は古典文法に忠実な が 多く、係り結びが頻出する。

『源氏物語玉の小櫛』で、『源氏物語』 の本質を「ものあはれ」に見出す。

江戸時代後期の国学の大成者で、号は 「鈴 すず 屋 のや 」。

最も良く出る作品『玉勝間』は『徒然草』 や『枕草子』と同じジャンルで「随筆」。

国学研究の先駆者は契沖で、継承者は 宣長の師である賀茂真淵。

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