みんゴロ古文出典

出題率 8 位 3.3 % 『平家物語』は鎌倉前期に原型が成立し、その後増補改訂 されながら流布していったとみられる。「軍記物語」として は『保元物語』 『平治物語』につぐ作品。『平家物語』は 琵琶法 師 により、「 平曲 」という形で語られた。そのため、文体は

1132 歴史記録的な部分では公家日記風の漢文訓読体と、いくつ もの文体を駆使して書かれ、複数の語り手による練り上げ られた名になっている。冒頭文は有名な「 祇 ぎ 園 おん 精 しょう 舎 じゃ の鐘 の声、 諸 しょ 行 ぎょう 無 む 常 じょう の響きあり。 娑 さ 羅 ら 双 そう 樹 じゅ の花の色、 盛 じょう 者 しゃ 必 ひっ 衰 すい のことわりをあらはす」で始まるが、全編を通じて 平家一門 の栄枯盛衰の歴史 を軸にした叙事詩風の 軍記物語の大傑作 といえる。描かれている時代は 年の 平 たいらの 忠 ただ 盛 もり ( 清 きよ 盛 もり の父)の 昇殿から、 年にその嫡流の六代目(清盛の曽孫)が処刑さ れるまでの 年間に及ぶ。中でも、平清盛が太政大臣とな り平家一門が栄華を極めた 年から壇の浦の合戦を経て、 一門が滅亡する 年ごろまでの約 年間に集中している。 1198 60 1167 20 和漢混交文をベースとしつつ、合戦場面では口語や擬声語・ 擬態語を交えて躍動的な文体、女性哀話では繊細な和文体、

鎌倉前期 軍記物語 平 へい 家 け 物 もの 語 がたり 信 し 濃 なのの 前 ぜん 司 じ 行 ゆき 長 なが か

1185

軍記物語

南北朝

鎌 倉

室 町

13C 中 1370 頃

13C 前 13C 前 13C 前

義 ぎ 経 けい 記 き

曾 そ 我 が 物 ものがたり 語

太 たい 平 へい 記 き

平 へい 家 け 物 ものがたり 語

平 へい 治 じ 物 ものがたり 語

保 ほうげんものがたり 元物語

源 げん 平 ぺい 盛 せい 衰 すい 記 き

  南北朝争乱の歴史 『増鏡』と同時代に

判官物

源義経の一代記

よる父の仇討ち

成立曾我十郎・五郎兄弟に

作者は信濃前司行長か

和漢混交文 『平家物語』の異本

仏教的「無常観」

琵琶法師による平 へい 曲 きょく

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