みんゴロ古文出典
出題率 9 位 3.3 % 『更級日記』は 平安中期の日記文学 で、作者の 菅原孝標女 の父は菅原道真の子孫、叔母は『 蜻 かげろう 蛉 日記』の 藤原道綱 母という文学的にとても恵まれた環境に育った。菅原孝標女 はほかにも 浜松中納言物語 』『 夜 よる の 寝 ね 覚 ざめ 』を書いたという説 があり、文学史で問われることがあるので注意。『更級日記』 の内容は、作者が最晩年に至って自らの人生を振り返ってみ て、少女時代への懐旧と悔恨を込めて綴った「 回想記 」といえ る。少女時代を父の赴任先の田舎( 上総=千葉県 )で過ごした 作者は、早く京に戻って『 源氏物語 』を読めますようにと、等 身大の薬師仏を造ってお祈りする 源氏フリーク少女 。そし て京に戻った作者は待望の『源氏物語』を手に入れ、暗記する ほど読み漁り、自分も光源氏のような方に出会いたいと夢見 るが、実際の生活は彼女が思い描いたような生活ではなく苦 労の連続で、期待していた結婚生活も平凡そのもの。宮仕え 平安の日記
も夢想した物語世界とはまるで別物だった。物語ばかりに夢 を見て勤行やお寺参りをないがしろにしてきからこんな惨 めな運命になったにちがいない、と後悔するのだった。
平安中期 日記 更 さら 級 しな 日 にっ 記 き 菅 すが 原 わらの 孝 たか 標 すえの 女 むすめ
1108 1073
1059 1010 1004 974 935
成 じょうじんあじゃりのははのしゅう 尋阿闍梨母集 の晩年を記す 母性愛の文学
讃 さぬきの 岐典 す 侍 け 日 にっ 記 き
更 さらしな 級 日 にっ 記 き
和 いずみ 泉式 しき 部 ぶ 日 にっ 記 き 紫 むらさきしきぶにっき 式部日記
蜻 かげろうにっ 蛉日 記 き
土 と 佐 さ 日 にっ 記 き
菅原孝標女作 『源氏物語』に憧れる
藤原道綱母作
紀貫之作
結婚生活、そして求道
少女時代から幸少ない
(女房名 讃岐典侍)
藤原長子作
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