みんゴロ古文出典
2 位 ところで宿を探しましたが見つからず、仕方なく粗末な 家に泊まりました。家には身分の低い男が二人いました。 夜、男たちが邸をうろうろ歩き回る 、眠ることができ 磨 までなぜ仏前のお勤めも寺参りもしなかたのだろう。幼 い頃に夢見た理想は、なんとあさはかだったことか」など と考え込んだりもしますが、かといって実直に暮らすこと もなかなかできそうにありません。 ません。奥にいる女たちが歩き回る理由を聞くと「気心の 知れない人を泊めているので物を盗まれないように歩いて
顔 翌朝早く出発し、東大寺や石上神社を参拝しました。 夜は山辺に泊まり、疲れていましたが少し読経して眠り ました。夢の中で高貴な美しい女性が微笑んで、「何をし に来たのか」と問うので、私は「参上しに来たに決まってい ます」と答えました。すると女は、あなたはいずれ宮中に 女房たちと打ち解けることもありません。でも寵愛をうけ る女房をうらやましがることもないので、かえって気楽です。 そのように適当に宮えをしていたある日、内親王のお 供で宮中に参内したきに、私が普段からお祈りをしてい
夕 いるのです」と、私たちが寝ていると思って答えていたの で、気味悪くもありましたがおかしいような気もしました。 出仕をしている宮家でお召しがかかるので、姪を出仕さ せますが、それに引かれてときどき私も出仕します。しか し昔のことが自分の誇りの足しなるわけでもなく、他の
た天照大神様が宮中に来ると聞きました。私はこの機会 にぜひ拝みたいと思い、ある晩こっそり参上しました。知 り合いのつて会った博士の命婦は、とても年老いていて 神々しい姿で、話をして座っている姿はこの世のものでは ないようで、まるで神が現れたようでした。 参籠した夜中に、御堂ほうから「お稲荷様からくださる 霊験あらたかな杉だよ」と言って、何かを投げ出すように するのではっと目を覚 と、なんと夢だったのでした 参内しますよ」とおっしゃるのがうれくて、次の日ら ますます熱心にお祈りしました。長谷寺に着き、三日ほど
1 位 3 1 P.68 須 1 2 位 結婚後はこまごまと家事などに追われて暮らしている うちに、物語ばかり読んでいた頃と比べ、私の心はすっか り現実的になってきました。こうなってみて初めて、「今 夜更けに出発し途中で食事をしていると、供の者が「こ こは泥棒がでる」と言うので怖くなりました。山を越えた 宮仕へ 初 瀬 ※ 位は 2 3
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