みんゴロ古文出典

易   難 入試 出題箇所を チェック ! 基本レベルの古文で、 出題大学レベルもやや 易しい。確実に得点し たい。 上 かん 達 だち 部 め ・ 殿 てん 上 じやう 人 びと などに対面する人は定まりたるやうなれば、うひうひしき里人は、 ありなしを だに 知らるべき に ※ もあらぬに、十月ついたちごろのいと暗き夜、不断経に、 声よき人々読む程 な ※ り とて、そなた近き戸口に二人ばかり立ち出でて聞きつつ、 物語し て寄り 臥 ふ してあるに、参りたる人のあるを、「逃げ入りて、 局 つぼね なる人々 呼び上げなどせむも見苦し。 さはれ 、ただ折からこそ。かくてただ」 と言ふいま一人のあれば、かたはらにて聞きゐたるに、 おとなしく し ※ づやかなる けはひにて、ものなど言ふ、くちをしからざなり。 「いま一人は」など問ひて、世の常の うちつけ の けさうび てなども言ひなさず、 世の中の あ ※ はれなる ことどもなど、 こ ※ まやかに 言ひ出でて、 さすがに 『更級日記』 国学院大学 上 達 部・殿 上 人 な ど と 対 面 す る 人 は、 き ま っ た 身 分 職 掌 な の で、 物 馴 れ な い 私 の よ う な 里 人 は、 い る か い な い か の 存 在 さ え 知 ら れ る は ず も な い の だ が、 十 月 初 旬 の た い そ う 暗 い 夜、 不 断 経 に 声のよい僧たちが読経中であるということで、そちらに近い戸口に朋輩と二人だけで出て、それを聞きながら、 話をし て物にもたれ臥していると、やってきた人(=源資通)がいるのだが、「逃げ込んで下局にいる女房たちを 呼んでくるようなのも気がきかない。 どうにでもなれ 、その場にふさわしく、こうしてこのままいよう」 と言うもう一人の朋輩がいるので、傍らに控えて、二人のやりとりを聞いていると、 分別もあり もの静かな 様子で、話などしている が、いかにも好ましい感じである。 「もう一人の方は」と私のことを尋ねて、世間一般によくある だしぬけ な 好色めいた態度 でなどの言い方はしないで、 世 の 中 の 無 常 な こ と な ど を こ ま ご ま と 語 り か け て き た の で、 そ う は い う も の の DATA FI LE

68

Made with FlippingBook - Online catalogs