みんゴロ古文出典
1 第 位 ~ 第 位 10
学習ターゲット
入試データ分析
歌物語は『伊勢物語』『大和物語』がダ ントツの出題率。 1 位『伊勢物語』は 125 段から成り、 主人公は六歌仙の一人、在原業平と 伝えられている。「むかし、をとこあ りけり」 で始まる段が多く、各段は 独立して、必ず 1 首以上の和歌が含 まれている。 2 位『大和物語』は 173 段から成り、 当時の実在した宮廷社会の人物の恋 愛や離別を歌と語りで描いている物 語の集成。後半は民間伝承の説話的 要素が含まれる。3 位『平中物語』は 色好みの男性平貞文と多くの女性と の恋愛の贈答歌のやりとりの話。
歌物語 出題順位
その他 1.1%
平中物語 9.1%
伊勢物語 47.6%
大和物語 42.2%
! = 薄緑色にかすむ生きがいのある春にめぐりあったの で、私は春霞ではないけれど、殿上に上ったことです。 ある帝の鳥飼院での宴会での席で 、有能な歌詠みを父 に持つという遊女が詠んだ和歌 。 「 物名歌 」という必ず物の名前が詠み込まれている歌 で 、ここでは 「 どりかひ (= 鳥飼 )」 が詠まれている 。帝 はたいそう感動して 、周りの者 に「 この遊女に衣服を 脱いで与えないような者は出て行きなさい 」と命じ 、 その後もこの遊女の生活の世話をするように命じた。 あさみどりかひある春にあひぬれば かすみならねたちのぼりけり (一四六段) 『大和物語』頻出和歌
よもぎ生ひて荒れたる宿をうぐひすの 人来となくや誰とか待たん (一七三段)
point ある少将が雨宿りのために入った荒れ果てた人気の ない邸に入る。すると御簾の中からきれいな女性が 独り言のように詠んだ和歌。「うぐひす」 という語 に 「鶯」 と 「憂 ( う )」 が掛詞になっている。 お く point = 蓬が生えて荒れ果ててる宿なのに 、うぐいす が「 人 が来る 」と鳴いている 。来るあてもないのに 、誰が来ると 思っているのだろうか。 !
71
Made with FlippingBook - Online catalogs