みんゴロ古文出典
学習ターゲット
入試データ分析
『十訓抄』は六波羅二﨟左衛門入道に よって編まれた。10 の教訓を掲げ、 約 280 話の説話を掲載している説 話文学。儒教的な思想を背景に、年 少者の啓蒙を目的として作られ、教 訓書の先駆となった。 出題箇所は巻 7 からのものが最も多 く、巻 1、巻 10 が続く。1 位の巻 7 は 「 思慮を専らにすべき事 」、2 位の巻 1 は「人に恵を施すべき事」、 3位の巻10は「才芸を庶幾すべき事」 という教訓項目。 下記の「十の教え」にもとづいて分類 されており、それを意識して読むと 内容が理解しやすい。 盟友を選ぶべき事 人の心は水が容器の形に従うようなものである。 人の上を誡むべき事 人の身の上話ははばかるべきである。
『十訓抄』出題順位
11 第 位 ~ 第 位 20
その他 4.4% 巻8 4.5%
巻4 6.1%
巻9 7.6%
巻7 28.8%
巻6 7.6%
巻3 9.1% 巻10 15.2%
巻1 16.7%
十
七 八 九 思慮を専らにすべき事 何事につけても身を甘やかさず修行に励むこと。
一 二 三 四 五 六 人倫を侮らざる事 人をばかにすることは無知の人がすることである。
才芸を庶幾すべき事 身分に応じて才芸を供えるべし。
懇望を停むべき事 自己をわきまえることを知っている人は人を怨ま ず。
諸事を堪忍すべき事 すべてのことを耐え忍ぶことは最高の徳となる。
忠直を存ずべき事 言い争わなければいけないときは争い、従わなく てはいけないときに従う、これが本当の忠であり、 孝である。
傲慢を離るべき事 福徳の重さが増しても控えめで落ち着いた心を第 一にしなさい。
年少者のための 十 の教え 人に恵を施すべき事 身分や見た目に関わらず公平に恩恵を施しなさい。
83
Made with FlippingBook - Online catalogs