みんゴロ古文出典

31 13 位 『今昔物語集』は 平安末期に成立した世俗説話 。全 巻 で を超える話を収録している。量的には最大の説話集 で、作者は不詳。全話が「今は昔」で始まっており、構成は 天竺(インド)・震旦 ( 中国 ) ・本朝 ( 日本 )の三部に分けられ、 1000 各部はさらに仏法部と世俗部に大別されるなど、全体的に 秩序だった構成になっている。仏法部では釈迦の生涯に始 まり、仏滅後の仏法の流布と日本への伝来が語られる。世 俗部では王朝史を基本としつつ、さまざまな人間の生態を 描いている。文体は漢文訓読体であり、平安時代に成立し たとは言うものの、王朝文学や詩歌の伝統には反する世界 を作り出している。聖・武士・盗賊・霊鬼などの現実社会 の底辺や暗部の存在をとらえ、移ろいゆく時代のエネルギ ーと社会の不安の様相を映し出すことに成功している。近 代になって 芥川龍之介が 『 今昔物語集 』 を題材に 『 羅生門 』 『 鼻 』 『 芋粥 』 などの名短編を書き 、同時に『今昔物語集』の文 学性を「野生美」として見出したことでこの作品が再発見さ れたと言ってよい。

出題率 平安末期 世俗説話 今 こん 昔 じゃく 物 もの 語 がたり 集 しゅう 2.5 %

世俗説話

●室町時代

作者未詳

12C 末 12C 平安 平安 末期

1358

1215 1221 1242 1252 1254

吉 よし 野 の 拾 しゅうい 遺

720 古 こ 今 こん 著 ちょもんじゅう 聞集 橘 たちばなの 成 なり 季 すえ 編 余りの説話 世

宇 う 治 じ 拾 しゅう 遺 い 物 ものがたり 語

古 こ 本 ほん 説 せつ 話 わ 集 しゅう

1000 大 おお 江 え 匡 まさ 房 ふさ 編 約 話から成る 最大の説話集 世 今 こんじゃくものがたりしゅう 昔物語集 江 ごうだんしょう 談抄

十 じっきんしょう 訓抄

今 いまものがたり 物語

古 こ 事 じ 談 だん

唐 から 物 ものがたり 語

世 世 世 世 六波羅二臈左衛門作か 十の儒教徳目での教訓話 世 藤原信実編 世 =世俗説話 源顕兼編

世 世 作者未詳

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