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103 発展テーマ

を下敷きに、「社会」が形成されているのです。 これに対して、日本人には自分と同じ人たちと群れたがる傾向 があります。同じ出身地、同じ学校など、 共通点を手がかりに「世 間」が作られていき、そのさまざまな「世間」を取り込んで形成 されているのが日本という国です。 同じ日本人なら話さなくても 分かるという意識。そこには〈他者〉が存在しません。

必ずしも西洋的な個人のあり方が絶対的に正しいわけではあり ませんが、同質性を前提とした「世間」のあり方が見直しを求め られていることは明らかです。〈他者〉を〈他者〉として受け入 れる「社会」、それは、 私たちが「よそ者」扱いされない という 意味でも、重要な課題です。

た、外国人の移住者や旅行客と接する機会も増えました。そうし た〈他者〉に対して、日本的な「世間」の感覚は通用しません。

しかし、一人一人の考え方や感じ方が違うの当然であり、マ イノリティにとって息苦しい環境であるということが、近年の多 様性に対する関心の高まりの中で明らかになりつつあります。ま

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